【連載8:うつ病患者の仕事術】「雪かき仕事」を率先して受ける

by Kazumoto on 05/3/2011
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Kazumoto04

うつから復職して、私自身も相当戸惑いましたが、それ以上に周囲の上司や同僚もどうしたら良いかかなり悩んだそうです。どう接して良いのか、何を任せられるのか、そもそも仕事ができるのか、会社の仲間が困惑するのも当然でしょう。

しかし幸いにも、自分自身の回復の手助けとなり、且つ、戸惑う周囲を安心させることができる仕事があります。それは「雪かき仕事」です。

元フランス文学研究者の内田樹氏の著作『村上春樹にご用心』にこういう一節があります。

『ダンス・ダンス・ダンス』で、「僕」は自分の仕事を「文化的雪かき」みたいなものだと説明している。

雪が降ると分かるけど、「雪かき」は誰の責務ではないけれど、誰かがやらないと結局みんなが困る種類の仕事である。プラス加算されるチャンスはほとんどない。でも人知れず「雪かき」をしている人のおかげで、世の中からマイナスの芽(滑って転んで頭蓋骨を割るというような)が少しだけ摘まれているわけだ。私はそういうのは、「世界の善を少しだけ積み増しする」仕事だろうと思う。

端的に言えば雑務と切り捨てられている仕事、もっと言えば意味のない仕事と言われている仕事です。仕事術本ではこういう仕事は効率的に片付ける必要があり、人に任せたり、切り捨てたりする必要がある仕事だと述べているものもあります。

常々思うことなのですが、本当にこの地味な「雪かき」仕事は切り捨てて良いのでしょうか?私は、掃除も議事録を録ることも、会議の準備としてプロジェクターやらを用意することも、今は誰かがやってくれていて、見えないだけで、必要な仕事だと思っています。社員が自分一人の会社であれば、掃除だろうと経費精算だろうと備品発注だろうと、どれもおろそかにする人はいないだろうにと思うのです。

それはさておき、これを逆手に取って、みんなが嫌がる「雪かき」仕事を率先して引き受けるようにしてみるのです。単調で、地味でな仕事ですが、この手の仕事は軽く落ち込んだ状態でもできます。連載6で書いたとおり、小さな「できる」は自信につながりますから、復職後に行う仕事としては、うってつけの仕事だと思うのです。

みんながやりたがらない仕事なだけに、率先して黙々とやっていると、ものすごく目立ちます。ただでさえうつ病患者という目立つ立ち位置の人が「雪かき」仕事をやるのですから、余計です。

すると、きっとみんな「なんか悪いなぁ」と思うのか、「サンキュー!」とお礼まで言われるように変わってきます。と同時に、お礼を言われる頃には普通に接して良いんだと、周囲に気づいてもらえるのです。小さな「できる」は周囲にも安心をもたらすとも言えるでしょう。

「これお願いできるかなぁ」という言葉は周囲が安心してきた合図です。できる限り早めにこの言葉を引き出すためにも、仕事復帰の手始めとして、「雪かき」仕事を率先して引き受けることをオススメします。驚くくらい感謝されますので、自信につながりますよ(^^)/

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